社会不適合者の鑑~徒然なる旅路~

旅先での発見・思ったことをただ書き連ねるのみ。

弾丸旅行城崎温泉~冬の山陰海岸~【①姫路→城崎】

2月中旬、昼前。

兵庫県姫路市播但線姫路駅。

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ここ数日、県北ではまとまった積雪があったようだった。

鈍った体を癒すためにも城崎に湯治に行く決心をし、ここ姫路駅播但線ホームへと降り立った。

 

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播但線ホームからは姫路城が正面に鎮座するが、少し遠い。

望遠レンズでもあればまた違ったのかもしれない。

 

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姫路から県北但馬方面へは、播但線経由の特急はまかぜ号が1日に3本出ている。

はまかぜに乗れば2時間とかからずに城崎温泉に行けるから、当然今日もはまかぜを利用して城崎を目指す。

 

しかし、姫路からはこの10:22発の福崎行きに乗車する。理由は後述・・・

 

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普通ワンマン、福崎行き 姫路1022→1049福崎

 

福崎までの沿線は姫路都市圏が延々と広がり、住宅地が目立つ。

ローカル線と揶揄される播但線ではあるが、福崎までの区間は本数もそれなりに多い。

 

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30分弱乗車して、福崎に到着。

乗ってきた車両はここで1時間ほど放ったらかされた後、姫路に折り返すそう。

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兵庫県神崎郡福崎町、福崎駅

降りてびっくり、驚愕した。

福崎の駅は以前よく利用していた期間があるが、その時の小さな木造駅舎のイメージであった。

調べてみると、ちょうど昨年改装したらしく、立派な駅前広場も整理されていた。

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いかにも新駅っぽい駅名カンバン(開業は明治だが)。

 

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観光交流センターも併設。

一見すると人の気配はなかったが、町の威信をかけた観光拠点であることが窺える。

 

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何やら気になるものを発見。恨めしそうにこちらを見ている。

 

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なんか出てきた。河童の化け物か?

そもそも河童が化け物だからその表現には語弊があるか。

どうやら歓迎してくれているようだが、残念ながら今日の福崎滞在は13分だ。

 

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下には説明書きがなされていた。

ガジロウは福崎町出身の民族学者、柳田國男回顧録に登場する河童で、福崎町のイメージキャラクターなのだと。

旧駅舎の時は駅のいたるところに像が腰かけていたのが、見なくなったと思ったらここに来てハイテク化していたとは・・・

 

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発車時刻が近づいてきたので駅に戻る。

ここでようやく、姫路から追いかけてきた特急はまかぜに乗車する。

 

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特急はまかぜ1号浜坂行き 福崎1102→1227城崎温泉

今日のはまかぜは3両編成。

いつものカニシーズンなら6両になっているところだが、寂しいものだ。

 

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福崎を定刻通りに発車。一路県北を目指す。

 

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特急券はe5489のJ-WESTネット会員価格で990円。

チケットレス特急券のチケットを発券するという矛盾の暴挙に出ているが、気にしない。

 

現在の特急券の制度では、100kmを境に特急料金が値上がりする仕組みだが、姫路~城崎温泉はギリギリ100kmをオーバーしてしまうため、料金が一気に430円アップして1420円になる。

今日はこれを福崎まで直前の普通で来ることによって、特急乗車距離がギリギリ100kmを切って、430円をケチろうとする目論見である。

 

どうせ姫路~福崎なんて普通でも特急でも大して変わらないのに、そこに430円を追加するのは少し損に感じてしまったドケチの末路である。

 

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車内の様子。2+2列のリクライニングシートが並ぶ。

意に反して7割ぐらいの指定席が埋まっており、乗車に少し躊躇したが、後方の一人掛け区画ががら空きであったため、一番後ろの席を購入した。

 

車内はビジネス半分、観光半分といったところか。

平日の昼前だというのに車内が酒臭いのは、カニシーズンの山陰特急の宿命でもある。

 

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最初の停車駅、寺前。

電化区間の終端であり、電車はこれより先に進めない。

鈍行で旅行するとここで強制的に乗り換えとなるが、はまかぜ号は電気ではなくディーゼルなので気にせず直通。

 

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寺前を過ぎると一気に山深くなり、長谷の集落に差し掛かると民家の屋根に雪が目立つようになる。

 

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標高300m余、生野峠を上り切った生野駅で寺前行きと離合。

ここから先は旧但馬国となる。

 

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冬の中国山地越えの際、徐々に外の景色が雪深くなっていくのは何とも気分を高揚させるものである。

周辺の山間部、鈍行で越えるときは唸りながら今にも止まりそうなスピードで心配するものだが、このはまかぜ号はF1スポーツカーも驚愕の900馬力エンジンで難なく静かに快走する。

 

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竹田駅に停車中。これは雲海で有名な竹田城の登山口。

しばらく竹田城は閉山しているようだが。

ここにきて雪が減ってきた。地面がべちゃべちゃであるところを見ると、積もっていたのが溶けてしまったのだろうか。

 

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と思ったのも束の間、竹田を出て数分で和田山に差し掛かると一気に積雪が2倍、3倍となった。

竹田と和田山は1駅5km程しか離れていないはずだが、やはりいつも和田山からは積もっているイメージだ。気候とはいかにも不思議なものである。

1駅5kmで気候が違うのは滋賀県彦根米原も似たようなものだろうか。

 

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播但線の終点、和田山の町は雪に覆われていた。

とはいっても、例年の2月よりは少し積雪が少ないような気もする。

ここからは山陰線に合流してさらに北進する。

 

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八鹿は養父市の中心駅。

兵庫県最高峰、氷ノ山・鉢伏高原方面のスキー観光の拠点であり、ここから多数のバスが出ている。

 

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駅前の全但バスの群れ。

屋根に雪が乗っている車両は、需要減で稼働できていないのだろうか?

 

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但馬名物、ひたすら雪原。

前来た時は吹雪だったから、その時よりはマシになっている。

 

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徐々に住宅が密集してきたら、

 

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県北但馬の主要駅、豊岡に停車。

ビジネス客と思しき1人客はここで全員降りていき、車内は観光列車然と化した。少々肩身が狭い。

しかし、次駅が城崎温泉なのでもう降車準備をしておくことに。

 

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豊岡を出ると円山川に沿って北上。

しかしこの窓、洗車のやり方が少々マズいのでは?

 

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12時半、3分ほど遅れて城崎温泉に到着。

 

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城崎温泉駅前。

 

次回 へ続く