社会不適合者の鑑~徒然なる旅路~

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山陰・奥出雲めぐり~中国山地縦断編~【③宍道→出雲横田】

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島根県松江市山陰本線宍道駅

宍道湖畔にある、木次線との分岐駅である。

 

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駅から徒歩5分ほどで宍道湖に着くほか、松江市出雲市という二大都市に挟まれているため、利便性はそれなりに高い。

 

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左方へ分岐するのがこれから乗る木次線

森の中へと入っていくようにも見える。

 

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木次線宍道~備後落合の81.9kmを結ぶ。

木次線の本数は多くない。

特に、今日中に終点の備後落合に行ける列車は11:12と13:58の2本しかない。

 

そもそも時刻表が「木次・出雲横田方面」になっている以上、備後落合までの輸送の役割はすでに放棄してしまっているのかもしれない。

 

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発車15分前、備後落合行きの2両のディーゼルカーがやってきた。

 

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木次線は古くは島根と広島を結ぶ重要なアクセスルートの一つだった。

駅の案内看板には往時の足跡が残る。

 

昭和の国鉄時代からすでに廃止の話が出ていたが、「並行道路が未整備」という理由で今日までしぶとく生き残ってきた。


しかし、松江道が整備されて高速バスが18本も出ている現在、木次線で広島〜松江を往来する客はおそらく皆無だろう。


この区間高速バス「グランドアロー号」だと乗り換えなしで3時間20分程度、4000円で行けるが、木次線利用だと一番乗り継ぎの良い便でも7時間を要し、運賃も70円高い。

 

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車内の様子。至ってコンパクトなディーゼルカー

エンジンやドアから何から何に至るまでバスの部品を流用しているらしく、天井には明らかにバスのものと思われるクーラー吹出口が付いている。

 

木次線の全長は81.9kmで、大阪~姫路間より少し短い程度だが、この列車は3時間20分もかけて走破する。

平均時速は30km/hにも満たない。

 

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ローカル線おなじみの直角シート。これでも背もたれがないよりはマシだ。

 

木次線の営業係数は800(100円稼ぐのに800円を要する)。

今のところ廃止の話は出ていないが、今を逃すと二度と乗れないと思い、このルートを行程に組み込んだのだった。

 

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パークアンドライドの宣伝。

都市部の渋滞緩和と排ガス抑制にはとても重要だ。

ただそれには、利便性も優位でなければならない。

 

少なくとも「ぐったりはくも」に3時間弱揺られて岡山を目指すのは、結構しんどい。

 

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宍道11:12→備後落合14:33

 

列車は宍道を出発すると、すぐに山中へと入る。

東へ西へとクルクル向きを変えながら徐々に南進。

 

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沖縄の台風の影響を受けやすそうな駅に停車。

ちなみに次の木次までは地元の利用もそれなりにあるようだ。

 

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沿線の主要駅、木次駅に停車。ここでは3分間の停車。

さすがに3分では降りるわけにいかないので、そのまま乗って待つことに。

 

当駅は島根県雲南市の中心駅。地元客も数人ここで降りて行った。

これより先、後ろの車両のドアは開かない旨の放送がかかった。

以降は終点を含めてすべて無人駅ということだ。

 

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列車は高台を走る。

勾配を上るたびに列車はシフトダウン、エンジン音を唸らせながら、しかし限りなく低速で中国山地の上り勾配を進む。

 

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出雲三成駅に停車。物産販売所が併設されている。

建物の規模はそれなりに大きいが、無人駅。

 

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急勾配を上っていくため、並行する斐伊川もいきなり上流の様相を呈す。

 

この辺りは1駅で15分もかかるような駅間のところもあるが、岡山で買ったおにぎりを頬張りながら風景を眺める。

 

木次を過ぎると地元客はほぼおらず、斜め隣りのボックスでは明らかに地元客ではないオッサンが昼間から酒盛りをしていた。

件のオッサンは案の定、備後落合まで一緒だった。

 

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12:48 出雲横田着。ここでは21分間の停車。

買い出しの為、一度下車する。

 

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へ続く