山陰・奥出雲めぐり~中国山地縦断編~【②岡山→宍道】
前回
山陰・奥出雲めぐり~中国山地縦断編~【①序章】 - 社会不適合者の鑑~徒然なる旅路~
岡山に到着。
ここからは25分の接続、「特急やくも」に乗り換えて山陰を目指す。
改札内のセブンイレブンで食料を買いそろえて、在来線ホームへ降りる。
特急だからさすがに10分前には来てるだろうと思ったら、まだ一本前が停車中だった。
普通福山行きからは大量の通勤客が吐き出され、入れ替わりでそこそこの通勤客が乗り込んでいった。
モータリゼーションの進んだ岡山都市圏とはいえ、かなりの鉄道利用があるようだ。
乗車するやくもは、福山行きが出た後すぐ入ってくるようだから大人しくホームで待つこととする。
すぐに入線してきたのは特急やくも3号、出雲市行き。
岡山8:05→宍道10:51
これから2時間半ほどの乗車になる。
(イメージキャラクターの「やっくん」と「ももちゃん」)
やくもの車両は40年モノの大変古い車両を使っているが、リニューアルで座席の間隔を広げられており「ゆったりやくも」なる愛称が付けられている。
しかし、これから走行する伯備線はカーブが多い山岳路線。
この車両は車体を傾けてカーブの遠心力を軽減する「振り子装置」が搭載されているが、その不自然な揺れのせいで乗り物酔い客が多発。
(Yahoo!画像より引用)
「ぐったりはくも」などという不名誉なあだ名が、ネット民によって付けられる始末だ。
それはさておき、列車は定刻どおり岡山を発車。
乗車した3号車指定席は、かなりゆとりのある乗車率。
乗客はビジネス客が中心だろうか。大きいスーツケースを持った人もいる。
隣の4号車は自由席で、そちらは相席があるほど混雑していたから、つくづく指定を取っておいて良かったと思う。
やくもの自由席は1両しかないから混雑しやすい。
列車は10分ほど走って倉敷に停車。
ここからは伯備線に入り、北に向きを変える。
山陽本線広島方面と分岐。一路山陰を目指す。
やくも号は前述の横揺れには定評があるので、テーブルにはこのように大穴が開けられている。
これがないと、カーブでペットボトルが飛んで行ってしまうこともあるらしい。
なぜか缶ビールも紙コップもちょうどフィットする、不思議な穴である。
高梁川にそって北上。
ここは、平成30年7月豪雨で大きな被害を出した川である。
一見穏やかそうな川ではあるが、川岸のところどころに氾濫の痕跡が残る。
ところで、今回使用したきっぷは「新幹線&やくもスーパー早特きっぷ」。
14日前までの予約で神戸市内→出雲市の普通車指定席が5400円になる。
乗車したのは姫路→宍道だから、両端ともずいぶん無駄な区間まで購入しているように見える。
しかし、姫路→宍道を特急で定価で行けば、自由席でも8140円かかるから、指定席が取れて5400円というのはまさしく、破格のきっぷだ。
川幅も狭まり、中流域の様相を呈す。
列車は数多のカーブで、車体と乗客の胃袋を左右に揺さぶりながら、中国山地を快走する。
商業施設が目立ち始めると、沿線の一大都市の新見市。
9:07 新見に停車中。
ここまでで降りていくビジネス客も多数いた。
A級グルメのまち、新見。
真のA級は、自らをA級と自称しないような気もするが、特に気にしない。
新見からは、ぐるっと一周旅行の行程に入り、約7時間かけてもう一度新見に戻ってくる。
高梁川はいよいよ上流の様子。
列車も速度を落としながら急カーブの上り坂を行く。
と思えばトンネルに進入。まもなく勾配は下り坂になった。
分水嶺を越えたということだ。
同時に周囲には霧がかかり、天気も悪くなってしまった。
やはり山を越えて山陰に入ると、気候がまるで違う。
石州瓦の赤い屋根が目立ち始めると、山陰に来たことを実感させられる。
島根県特産の丈夫な瓦で、特に雪に強いことで知られる。
この辺りは日本でも有数の豪雪地帯である。
伯耆大山を通過中。
稲刈りが終わってさっぱりした田んぼ。
やはり今日の山陰は天気があまりよくない。
突然イオン(元サティ?)のある大きな街が現れると、
島根県の県庁所在地、松江に停車。
ここまで来ると、下車駅の宍道までは10分余。
ここからの見どころは、やはり宍道湖だ。
北西方向。
湖に沿って道路がカーブしていく光景がいい。
10:51 定刻どおり宍道に到着。
「ぐったりはくも」と呼ばれるほど酔いはしなかったが、今こってりラーメンは食べられないだろうと感じるほどの気分にはなった。
次回
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へ続く